日々之雑感 03年 08月

2003/08
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■ 硝煙と爆音の日

_ 　近所の花火大会なわけですが。
　ちなみにどれくらい近所かと言うと、家の前で観測した結果、爆音は1.8秒ほど遅れてました。

_ 　河川敷で行われる花火大会なので、堤防まで行けば火のついた破片が降り注ぎ、目の弱い人は硝煙の煙で涙を流し、爆圧で眼鏡がずれるよーな迫力なわけですが、生まれてこの方の年中行事なので、家の前でのんべんだらりんと見物。
　とりあえず爆発力の強いやつが好き。発射音が聞こえてから空を見上げるのが通。
　最近は爆発力で弾子を飛ばすものだけでなく、弾子に推進力持たせてランダム加速させるやつがあるのだが、あれは見ていておもしろいなあ。まるでホタルがとびかってるみたいで。
　あとピカチュウの花火とかパンフに書いてあったのだが、そんなの上手く正面向けて破裂させられるのかと思っていたら、数で解決していた。正しい。
　ちなみに９０°ずれると、ただの線です。

_ 　フィナーレは空の一カ所に百発を超える花火を集中砲火。
　硝煙で花火が見えなくなる。この目的と手段が入れ替わるのが好きなんだよなあ。

_ 　余談ですが、小川一水著「アース・ガード」の主人公の部屋からだと、花火が眼下に見えるそーです。あのちょっと脇が射撃陣地になってるので。
　いや、聞いた話だけどな。

■ ところで、

_ 　小学校の「夏休みのしおり」に、「不発弾を拾いに行かない」と書かれているのは普通じゃないんですか？

2003.8.11 (月)

■ 『イリヤの空、ＵＦＯの夏』

_ 　榊はオールナイトの席を立ち、４月の夜明けに向かって歩き始める。

_ 　浅羽は園原基地の裏山に、でっかい「よかったマーク」を刻む。

_ 　つまり、私にとってのイリヤは、そーゆー作品だった。まあそーゆー作品になるだろう、という予感はしていたが。
　三巻を読み終わったころに気付いたこの事を話したら、冷静に分析したのが一人、関心してくれたのが一人。
　私くらいの年齢のある種のＳＦ者にとっては『妖精作戦』というのは欠くことができない心体の構成要素である。だいたい、この作品に出会わなければ、私は単車に乗ることは無かったかもしれないし、会社の新人歓迎会で弾着付きど突き漫才などという暴挙に出て、宴会場を静寂に満ちさせたりもしなかったかもしれない。
　イリヤが妖精作戦に出会った頃の俺の年頃の読者にどういう心的外傷を与えているかは知るよしもない。が、心的外傷を与えるに足る作品だとは思う。

_ 　この二つの作品を、その書かれた時代背景を元に分析してみると、それなりに面白いかもしれない。
　俺はやらないしできないし誰かがやったとしても読まないだろうけど。

_ 　正直言って、秋山瑞人は怖い。
　例えば、笹本裕一とか小川一水とかは、読み進めるうちに行き着く先はある程度予測できる。ただ、どのような結末が、どのようにして描かれるかを期待しながら、それでも安心して読み進めることができる。
　秋山瑞人は、違う。どこへ連れてゆかれるのか想像できない。だから、安心して読んでいられない。たいがいにおいて、こちらの予想していた地点の向こう側へと物語は進んでゆく。向こう側ならまだマシなほうで、どこかわからない所に突然連れてゆかれたりもする。
　一行一行を読んでいられなくなる。不安に駆り立てられ、ページをすっ飛ばしてこの先に何が待っているのかを確かめたくなる衝動に駆られる。完全に作者に脳髄を捕まれ、引きずり回されているのを自覚する。
　こんなことを書くと私の器が知れるので、あまり書きたくは無いのだけれど。

_ 　てなことを先日のＳＦ大会で秋山氏本人に言ってみたところ、横にいた古橋秀之氏が的確に解説してくれた。おもしろかった。
　本人にそんな事聞くか？　と言われそうだか、私は考えても考えても解らない事は誰かに聞くことにしている。それが作者本人だったりすることがたまにあるだけなんだけど。

_ 　とりあえず私は自分が甘ちゃんだということを今回も思い知らされた。初めての事じゃないけれど。
「いや、出来ることをやればいいんだと思うよ」
　と某氏には言われたんだけどさ。
　それでも自分には出来ないことにはあこがれるわけさ。単に出来ないからなのか、それが出来れば本当にいいのかは解っていないんだと思うけど。
　だからダメなんだろうけど。

_ 「ああそうだ、それはあれだね、『雪風は増槽を切り離す』だろ」
　という会話をしたのは二年近く前の事だ。やっぱり誰の脳裏にも共通して焼き付いている物はあるのだ。

_ 　あの最後の一行は、十五年後にも人々の脳裏に焼き付いているだろうか。
　きっと、俺は覚えている。

■ 毎度の事だが

_ 　書評を俺に期待するな。

2003.8.13 (水)

■ 夏コミの予定

_ はProgressiveが２冊。『翼人世界記　Ⅴ』と『メイドさん協奏曲ハ短調』。
　前者は毎度おなじみのシリーズ物。そろそろ佳境。
　後者は……まあそういう感じで。表紙のデコメイドが凶悪な一品。脳内メイドから実在メイドまで手広く４編収録。

_ 　ちなみに私は祖父の初盆の法事があるので、午後にならないと会場入りできない予定。　殴りかかる時は相手の名前を確認の事。

2003.8.16 (土)

■ 夏コミ二日目

_ 　朝、なりさんから
「浸水が止まりません」
という謎メールが携帯に届く。
　そうか、大雨か。

_ 　超特急で用事を片付け、新幹線で東京へ。
　会場入りしたのは13時30分ごろ。最適化すればもう少し短縮できそう。

_ 　今回は現場を東京組にまかせっきりだったのだが、壁から島端に移った事もあって、在庫の山に埋まっていた。Progressive19が当初予定より分厚かったしなー。
　ブースの高層化も限界近い（小柄な人では、上の本が取れない）状況なので、次回は合体スペースで申し込む事に。
　いきなり落ちそうで怖いんだが仕方ない。以前からいいかげん合体にしろとは言われていたし。
　大雨で人が少ないような気もしたのだけれど、単なる思いこみだったのかもしれない。
　とりあえず「新刊どれですか」と言って来てくれた方々に感謝。

_ 　東館は、ＳＦと特撮系だけぐるっと回る。
　通路で怪獣酒場のメトロンＳ氏とばったり出会う。怪獣酒場は毎回すごいことになってるなあ。

_ 　終わった後は毎度の面子で打ち上げ。
　いつもの地下深くの居酒屋で、「正しいLASTEXILEの今後の展開」に関して議論を交わす。あと反省会とか次回の計画とか。
　喫茶店に移ってうだうだしたあげくに、毎度の面子で丸さんのところに転がり込んで撃沈。
　なんか全力で遊びまくったなあ。

2003.8.17 (日)

■ 夏コミ3日目

_ 　朝一で並ぶ体力も気力も無いので、昼前にうだうだ出発。
　会場入りして少年捜創作系をぐるっとまわる。
　カタログチェックもほとんどしていないので、適当に回って適当に買い物。
　やっぱり少しくらいカタログチェックしておくんだったなあ、と毎回思うんだけど、そんな余裕は無いんだよなあ。

_ 　終了後、食事して解散。
　帰省ラッシュど真中でのぞみの席が取れたことはうれしい。

2003.8.23 (土)

■ 富士山麓花火大会

_ 　Ｏ氏のお誘いでＳ氏と三人ででかける。
　演習は午前中ということなので、４時に車で出発。
　御殿場で高速を降り、御殿場駅からシャトルバスに乗り換えて会場へ。
　さて会場は……というと、濃霧の向こうの丘にうっすらと車両の陰が見えるような状態。パンフレットにある射撃対象は一番手前のがようやく見えるかどうか……
　これではヘリは飛ばないかもなあ、と思っていたら、濃霧のためいきなり演習開始を延ばすとのアナウンスが。
　そのまま１時間近く引っ張るも、霧は晴れる気配もなく、そのまま強行することに。
　強行といっても、射手（？）から射撃対象が見えない場合は実射はできないという規則があるらしく、そのほとんどは発射手順と号令のみという結果に。
　結局実射が行われたのは、小銃やコブラの機関砲と短射程のロケット砲、それに戦車砲。
　観客からはやじの飛び交う状況だったが、私はそれなりに楽しめた。
　やっぱり９０式の一斉射撃は一見の価値ありです。

_ 　その後、地上展示を触ったり叩いたり撮影してはいけないところ撮影して止められたり、「そういう質問にはお答えできないことに」とか言われたり。
　そんなこんなしてるうちに晴れてくるのはお約束だ。

_ 　帰りの車では、寝不足もあってバカ話。
　わけの解らないタームが飛び交うが、それでも話しているうちに一本書けそうな気がしてくるところがおそろしい。
　書かないけど。

2003.8.31 (日)

■ 手応え

_ 　そんなわけでこの週末でなんとか小説マテリアの原稿をでっちあげる。
　昨年出して、こないだの夏コミまでしつこく売っていた「月を駆ける」の延長線にある話。
　そういうのをこういう場所に出すのは反則な気もしたのだけれど、まあ「月を駆ける」を未読の人にも解るように書いたつもりだし、あれも元々昨年春の最萌え支援に公開したやつだから、ネットのどっかにころがってるだろうし、問題無い……と思う。

_ 　これに参加したのは、ネタが一つあったからとか、たまには原稿書いて提出するだけで本になるのも楽だなー（亜呂さんご苦労様です ^^;）とかもあったのだけど、もうひとつ試してみたかった事もあった。

_ 　昨年春に「ほしのこえ」を見て以来いろいろいろいろ考えるところがあって、考えたことをいろいろ試してみた。「ほしたちのこえ」や「Progressive17」に収録されたものはその試してみた一環だったのだけど、少しは手応えがあるのだけれど、結果があまり伴ってないなあ、という感じだった。
　その後、Night-Marchenで企画された灰羽連盟本「灰羽風景」で一本半オリジナルみたいなものを書いてみて、これはかなり手応えがあった。結果は……満足には遠いけれどなんとか容認できるかなあ、と。
　そして夏の「Progressive19」。
　これに書いたのは、この一年間じたばたしてきた事の一つの結果になったんじゃないかなあ、と思えるだけの出来にはなった。少なくとも、これまでいろいろ書いてきた短篇の中では随一ではないかと。
　まだダメな所はいろいろあって、その事も解ってはいるんだけれど。

_ 　で、今回「小説マテリア」に参加した作品は、これまで得たものの一部を適用してみて、どれだけ効果があるかという実験的な側面もあった。
　執筆工程として、確実に効果はあった。
　けど、実はそれは読者にはあんまり関係の無い所であったりはする。
　よーするに今回は作者の自己満足の部分が大きいという話なんだが。

_ 　まあ一言で言うと、
「書いてて楽しかったな」
　というだけの話。

_ 　読者の満足度は私が決めることじゃないので、読んだ人が決めて欲しい。
　ついでに教えてくれるともっとうれしい。
　最近読者からのフィードバックが無いので少し寂しかったり。

日々之雑感　過去之出来事

2003年 08月

2003.8.2 (土)

■ 硝煙と爆音の日

■ ところで、

2003.8.11 (月)

■ 『イリヤの空、ＵＦＯの夏』

■ 毎度の事だが

2003.8.13 (水)

■ 夏コミの予定

2003.8.16 (土)

■ 夏コミ二日目

2003.8.17 (日)

■ 夏コミ3日目

2003.8.23 (土)

■ 富士山麓花火大会

2003.8.31 (日)

■ 手応え

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2003.8.2 (土)

■ 硝煙と爆音の日

■ ところで、

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■ 毎度の事だが

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■ 手応え

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